平成7年度は、下顎局部床義歯のデータ分析および総括を行い、以下の知見を得た。 1 重合直後の寸法変化は、顎堤頂部間および臼後隆起部門では、加熱重合型レジンの義歯が0.37〜0.59%、流し込み型レジンの義歯が0.16〜0.30%、マイクロ波重合型レジンの義歯が0.30〜0.68%の収縮率であった。義歯床辺縁部間では、左右の頬側床辺縁部間は、加熱重合型レジンおよび流し込み型レジンの義歯が顎堤頂部間より大きな収縮率を示し、マイクロ波重合型レジンの義歯は顎堤頂部間とほぼ同じ収縮率であった。左右の舌側床縁部間では、加熱重合型レジンの義歯は顎堤頂部間より小さな収縮率で、流し込み型レジンの義歯は原寸よりも拡大し、マイクロ波重合型レジンの義歯は顎堤頂部間より大きな収縮率であった。 2 経日的には、加熱重合型レジンの義歯は12〜24時間後まで収縮が続き、その後は収縮の回復傾向がみられ、4週間後には重合直後の収縮率まで回復した。流し込み型レジンの義歯は、顎堤頂部間は6〜24時間後まで収縮し、その後は回復傾向を示して4週間後にはほぼ原寸大となったが、頬側床辺縁部間は4週間後でも0.37%の収縮率であり、舌側の床辺縁部間は逆に4週間後には原寸より0.65%拡大した。マイクロ波重合型レジンの義歯は6〜24時間後まで収縮し、その後回復傾向がみられたが、4週間後で重合直後よりわずかに回復した状態であった。
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