本年度(平成5年)の研究達成目標は、先に報告した通りである。第一には、本件級に必要であると考えられる身体運動科学の中でのContact-sportsにおいて応用されている。Mouth-PieceやMouth-guardについてのあらゆる資料の収集に努め、それらの資料の分析等の作業はほぼ達成できたと考える。 第二には、本研究に不可欠であるContact-sportsにおける臨床データの採取が大切である。そのための調査対象となるスポーツ機関或いは各種の団体の応諾は既に受けている。 第三には、本研究において最も重要事項であるMouth-Pieceの考案である。既存のMouth-Pieceは外部からの衝撃に対してそのshockをMouth-Piece本体の表層部で吸収するものが殆んどである。 頭部、特に脳細胞等に対する障害防禦等の効果は薄いと考えられる。今回、考案中のMouth-PieceはまづB7722-シャルピー衝撃試験機によって、その材質の撰定をし、それらを使用してMouth-Pieceの機能的な形態の決定に努めている。 種々の材質を用いて衝撃的荷重試験を施し、材質の抵抗力、衝撃吸収率の測定をしてこれら材質撰定については殆んど達成できたと考える。衝撃をMouth-Pieceの中心部で吸収可能な形態、換言すれば脳に対する衝撃を最も軽減可能なMouth-Pieceの形態を決定し試作するまでに至っていない。この点が達成されたなら次の段階に進めるため、全力を傾注したいと考えている。
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