研究課題/領域番号 |
05671663
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
染矢 源治 新潟大学, 歯学部附属病院, 教授 (60107787)
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研究分担者 |
高山 治子 新潟大学, 歯学部, 助手 (10216799)
瀬尾 憲司 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40242440)
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キーワード | 外科的顎矯正術 / 経鼻挿管 / 鼻腔抵抗 / 総合鼻腔通気抵抗 / マスク・アンテリオール法 |
研究概要 |
手術前後で鼻腔通気度を測定し、経鼻挿管の気道としての鼻腔におよぼす影響を調べた。 (研究対象および方法)対象は新潟大学歯学部附属病院中央手術室で外科的顎矯正術のため経鼻挿管が予定された、ASAI〜IIで鼻疾患の既往のない患者12名とした。測定は鼻腔通気度計(MPR-2100、日本光電社製)を用い、マスク・アンテリオール法にて行なった。 測定項目は、挿管側と非挿管側の最大流速値における鼻腔抵抗値(R_A)と、これらの値から算出された総合鼻腔通気抵抗値とした。そして手術前、抜管直後、術後1日目、2日目、3日目、4日目のそれぞれの値を比較し検討を行った。 (結果)吸気時のR_Aの呼気時のR_Aとの間には、大きな違いはみられなかった。 しかし、挿管側ではR_Aは抜管直後ではわずかに減少する傾向があり、これらは吸気時には有意な減少を示していた。さらに手術翌日では上昇する傾向があったが、手術前の値とは有意差は認められなかった。手術2日目にはR_Aは手術前とほぼ同じ程度に落ち着き、その後変化はほとんどみられなかった。非挿管側では、R_Aは抜管直後に増加した。これは呼気時に有意な変化であった。手術翌日にはR_Aは手術前とほぼ同じ程度に低下し、その後は明かな変化はみられなかった。両側の総合通気抵抗値では、手術前から術後3日目まで、ほとんど変化が認められなかった。 (考察)以上の結果から、経鼻挿管を行った患者では、術後2日間は鼻閉には特に注意して気道管理を行わなければならないことが示唆されると思われた。現在、ファイバースコープにて鼻腔内の形態的変化を、術前から術後3日目まで経時的に観察を行っている。
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