研究課題/領域番号 |
05671683
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
朝波 惣一郎 慶應義塾大学, 医学部・歯科口腔外科, 助教授 (70051670)
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研究分担者 |
矢崎 篤 慶應義塾大学, 医学部・歯科口腔外科, 助手 (10182312)
柴 秀行 慶應義塾大学, 医学部・歯科口腔外科, 助手 (60154233)
岡田 豊 慶應義塾大学, 医学部・歯科口腔外科, 助手 (00129371)
逢坂 文博 慶應義塾大学, 医学部・歯科口腔外科, 講師 (30118921)
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キーワード | 強化型セラミックス / 初期細胞接着率 / 細胞増殖率 / ALP活性 / DNA量 |
研究概要 |
生体活性型のアパタイト(hydroxyapatite)にdiopside(CaO・MgO・2SiO_2)を粒状で混合焼成させるとウイスカーが析出し、粒状結晶が針状結晶に変化して物理的強度の増した焼結体すなわち強化型セラミックスが得られる。強度的にはdiopsideの含有率が20%以上であれば人工歯根としての使用も可能である。ただし混合焼成した強化型セラミックスの生体親和性は不明であるため、培養細胞を用いてin vitroにおける親和性について検討した。培養細胞を用いるin vitroの実験では用いる細胞によって結果が異なることが予測され、特に本実験のように安全性をクリアーした各種インプラント材料間の微妙な差異を明確にするために、マウス骨髄由来骨芽様細胞KUSA、マウス頭蓋冠由来骨芽様細胞C20およびC26、マウス結合組織由来線維芽細胞L929の計4種類の細胞を用いた。使用材料は、アパタイト、diopside、alpha‐TCP、beta‐TCPと強化型セラミックスとしてアパタイト+diopside(5%、20%、60%)を用い、比較対照としてチタン、ポリスチレンを使用した。各材料のそれぞれの培養細胞における初期細胞接着率、細胞増殖率、ALP活性、DNA量について比較検討した結果、用いた4種類の細胞のうちマウス骨髄由来の骨原性細胞株KUSAが各インプラント材料間の差異を最も良く反映することが解った。初期細胞接着率はKUSA細胞ではHAPが高く、diopsideの含有量が増すにしたがって減少傾向がみられ、ALP活性、DNA量は共にdiopsideの含有量にしたがって増加していた。細胞増殖率ではKUSA細胞で材料間の差が明瞭で、96時間培養後にはdiopside60%含有の強化型セラミックスが最も高い増殖率を示したが、経時的なALP活性、DNA量では材料間に有意の差は認めなかった。また細胞増殖に影響を与えるような溶出イオン、pHの変化は認めなかった。
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