研究課題/領域番号 |
05671696
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小木 信美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90211127)
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研究分担者 |
半田 祐二朗 岐阜大学, 医学部, 講師 (50165049)
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (40133483)
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50064788)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 顎関節 / 変形性顎関節症 / 関節円板切除 / 羊 |
研究概要 |
4頭の羊の顎関節に変形性顎関節症の発症実験を行ない、3か月後に片側の関節円板切除を行ない、さらに3か月後に動物を屠殺した。標本のレントゲン写真を関節円板切除側とコントロール側に分けて、放射線学的に比較検討を行なった。骨棘形成、骨びらん、フラットニング、骨硬化の評価項目において、関節円板切除側の方がコントロール側に比べて、より変化が大きい状態となっており、特にフラットニングにおいてその傾向が顕著であった。皮質骨下の嚢胞形成はいずれの側においてもレントゲン写真上で観察できなかった。平成5年度までに作製したパラフィン包埋標本を、通法に従って薄切し、ヘマトキシリン、エオジン染色を施した。コントロール側では、観察を行なった4関節に共通して、関節円板の穿孔、骨棘形成、下顎頭の変形などの変形性顎関節症に特有な変化が認められた。特に下顎頭内部の骨髄の線維化や嚢胞形成が著明で、滑走面から深部に至まで広範囲に及んでいた。これに対し側頭骨側の変化は少なく、滑走面の状態は比較的保たれていた。また、関節円板切除側では、下顎頭や側頭骨側の形態的変化が大きいものの、下顎頭内部の変化は顕著ではなく、骨髄の線維化は滑走面直下に認められるだけであり、それ以外の部分では骨髄は正常像を呈していた。さらに嚢胞性変化も極めて限局化しており、検討した4関節の内1関節の一部に観察されただけであった。しかし、関節腔内において著明な線維成分の増生のために関節腔が狭小化し、1関節では下顎頭と側頭骨の線維生癒着に至るものもみられた。今回の実験は術後3か月という短期間の成績であるが、変形性顎関節症に対する関節円板切除の術後変化は変性というよりもリモデリングであると考えられた。関節円板切除後に周囲軟組織の増殖が著明に観察されることから、癒着を避けるための理学療法としての開口訓練が重要であると示唆された。
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