4週齢のウイスター系ラット30匹を、3群すなわちA群(普通飼料、船橋農場製)、B群(普通飼料の2分の1の硬度の飼料)、C群(普通飼料の1.5倍の硬度の飼料)に分け、それぞれの飼料を自由に摂取させ、6ケ月飼育し、以下の結論を得た。 (1)顎の変位ならびに咬合状態 実験全期間を通じて、顎の変位および異常咬耗の出現は認められなかった。 (2)軟X線的観察 顎骨の成長に関しては、実験開始より4週目まででは、C群において有意差が認められたが、6ケ月目ではほぼ同程度の成長発育を示した。 下顎関節突起部の形態に関しては注意差は認められなかった。 (3)血清学的検査所見 実験開始後4ならびに8週目では、BGP値においては、A、C群に有意に高値を呈した。PTH値ではC群が有意に高値を呈した。ALP値では各群間には有意差は認められなかった。 12週目では、BGP値、PTH値においてA群が有意に高値を示した。ALP値についてはB群が有意に高値を呈した。16週以後は各群間に有意差は認められなかった。 (4)組織学的観察 実験開始4週目では、C群がB群に比べ関節軟骨表層部の肥厚が認められた。実験開始8週目以後、顕著な差は認められなかった。
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