研究概要 |
歯周保健に関する日常の行動や歯科保健についての認識レベルを評価する質問紙(HU-DBI)を用いて,当初,記名式による調査を計画した。しかし,記名式による回答の歪みを全体的に把握するために,歯科医師会などと共同で,広島県内の全市町村において,妊婦1,600名を対象に無記名式によるHU-DBIの調査を行った。その結果,妊婦の口腔衛生に対する意識は高いとは言えず,とくに,歯周組織の健康に重点をおいた歯周保健教育の必要性が示唆された。 これらの結果をもとに,HU-DBIに加えて,妊娠期における母親自身の歯科に対する不安や悩み,また,生まれてくる子供の口腔内についての不安や悩み,さらに歯科保健に対する意識やニーズを把握することを目的とした質問紙(A)を作成した。また,本研究の独創的な点であった母親へのフィードバックを行うために,質問紙の回答に対する指導パンフレット(B)を作成した。 本研究の対象者は,広島市内全保健所(8保健所)において,平成6年2月に妊娠の届出をした妊婦1,500名である。対象者に対して,質問紙(A)を郵送した。現在,対象者より回答が返送されてきており,これから個々の回答状況について分析を行うとともに,指導パンフレット(B)を郵送するところである。 なお,当初の実施計画では2,000名を対象としていたが,郵便料金の値上げのため,対象者を1,500名に変更した。
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