研究課題/領域番号 |
05671727
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
戒田 清和 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50139606)
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研究分担者 |
平下 斐雄 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (70089457)
川本 忠文 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60148046)
清水 正春 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40064357)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 歯の移動 / 牽引側歯根膜 / 成熟ラット / 血清BGP / 骨形成 / コラーゲン線維束 / 類骨層 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
実験的にラットの歯を移動した際の組織学的観察、免疫組織学的観察、および血清生化学的検索を行い、歯の移動の際の骨改造機転について検討を加えた。さらに、これらの臨床応用として成人矯正患者の治療の初期段階の骨改造機転を診査するため血清オステオカルシンを含む血清生化学的検索を行った。(1)組織学的所見:成熟ラット(12週齢)の大臼歯を1〜21日移動し、以下の結果を得た。1)牽引側の骨添加には、類骨層のコラーゲン細線維の石灰化による骨添加と、歯根膜のコラーゲン線維束上への骨添加の2つのタイプが観察された。2)さらに歯の移動時の新生骨の形成に際しては、後者が先行することが推察された。3)歯の移動3、5日後のBGPの局在について免疫組織学的観察を行い、牽引側の歯槽骨表面にBGP活性を認めた。(2)ラットでの血清生化学的所見:歯の移動時の血清BGP値は、3日目で対照群と比較し有意に低い値を示した。このような血清BGPの変動は、歯の移動初期に歯根膜の圧迫側の変性組織に代表される歯周組織のダメ-ジが次第に回復され、牽引側で14,21日にみられた急速な新生骨の形成を全身的に反映しているものと推測された。(3)ヒトでの血清生化学的所見:実際の矯正治療中の歯の移動と血清BGPの変動について、健常人成人女子を対象に、治療前、抜歯後、大歯移動約2カ月後に測定を行った。抜歯後に血清BGP値は増加し、大歯移動後では初診時のレベルまで低下した。抜歯後の血清BGP値の増加は、抜歯窩修復過程での骨芽細胞を中心とする骨の改造機転を反映しているものと考えられた。ヒトでの歯の移動が血清BGP値に反映されるか否かについては、さらに検討が必要である。
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