研究課題/領域番号 |
05671748
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大高 章 京都大学, 薬学部, 助手 (20201973)
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研究分担者 |
玉村 啓和 京都大学, 薬学部, 助手 (80217182)
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
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キーワード | 固相合成 / ジスルフィド結合 / 生体防御ペプチド / プロテグリン |
研究概要 |
ペプチドの化学合成は、医学、生化学の分野に於いて無くてはならない基礎技術の一つとなっている。近年の固相合成法の進歩により低分子ペプチドならば比較的容易に合成可能であるが長鎖ペプチドあるいはジスルフィド含有ペプチドの合成については改善すべき問題点が残されている。前年度はAvidin-Biotin系アフィニティークロマトグラフィーによる固相合成ペプチドの精製法の開発を行ったので今年度はジスルフィド結合形成法について検討を加えた。特に内因性生体防御ペプチドは分子内に複数のジスルフィド結合を有し、かつ難溶性のものが多く、これらのペプチドを効率よく合成するには難溶性ペプチドへも適用可能なジスルフィド結合形成法の開発が不可欠である。そこで本年度はこのような点に留意し以下の研究を行った。 1 通常のジスルフィド結合形成反応は水系溶媒中で行うことが多いが、生体防御ペプチドの合成には適用不可能な場合が多々あるので有機溶媒(DMF)中でジスルフィド結合形成が可能な方法論として新規システイン保護基(2-キノリニルメチル基)の開発とそのジスルフィド結合形成への応用について検討した。 2 DMSOがジスルフィド結合形成の酸化剤として有用であることをすでに明らかにしているが、本年度はさらに複数のジスルフィド結合を有するペプチドにDMSOを酸化剤として用いた場合のジスルフィド結合形成の位置選択性について検討を加えるとともに、AgOTf-DMSO/HCl系を用いた新規ジスルフィド結合形成反応を開発した。 3 上述の知見を基にブタ白血球より見いだされた生体防御ペプチド、プロテグリン(18アミノ酸、ジスルフィド結合2本)、の3種類のジスルフィドアイソマ-の合成を行うとともにこれらの抗菌並びに抗HIV活性について検討を加えた。
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