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1995 年度 実績報告書

RESによるリポソームの取込機構と細胞内運命に関する速度論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671783
研究機関徳島大学

研究代表者

原島 秀吉  徳島大学, 薬学部, 助教授 (00183567)

研究分担者 際田 弘志  徳島大学, 薬学部, 教授 (50120184)
キーワード薬物送達システム / 薬物速度論 / リポソーム / オプソニン / 補体レセプター / 飽和性 / 粒子径
研究概要

平成7年度は、リポソームの細胞内への取込過程と細胞内動態がどのような関係があるかについて検討した。in vivoでの実験では、取込量の時間的変化を補正するために、^<125>I-albと^3H-CHEとでダブルラベルを行い、^3H-CHEに対するインタクトな^<125>I-albの比をとることにより細胞内分解過程の指標とした。リポソームのマクロファージへの取込過程は粒子径によって特異的経路と非特異的経路に振り分けられることから、まず、粒子径を変えることにより細胞内分解過程がどのように変化するかを検討した。その結果、特異的経路を介しても非特異的経路を介しても、細胞内での分解過程は共通で、速い分解に約8割が遅い分解に約2割が振り分けられることが明らかとなった。そこで、リポソームの投与量を変化させると、速い分解過程が投与量の増加とともに減少した。この分解過程に見られるリポソームの投与量の影響を説明するモデルとして分解過程のヘテロジェネイティを仮定した「振分モデル」と輸送過程のヘテロジェネイティを仮定した「渋滞モデル」を想定し、これらの識別を試みた。in vivo実験の結果をこれらのモデルで解析すると、いずれのモデルでも良く説明することができた。次に、単離した腹腔マクロファージを用いて、ライソゾームでの分解過程の前段階である酸性コンパートメントへの移行過程に投与量がどのように影響するかを検討した。細胞内pHの測定にはHPTSをマーカーとしてリポソームへ封入した。このマーカーはpH-sensitiveな蛍光色素で、環境のpHに依存して蛍光スペクトルが変化することが知られている。その結果、高投与量になるとリポソームは細胞内に取り込まれても速やかな酸性化を受けていないことが明らかとなった。このことは「渋滞モデル」を支持しており、細胞内輸送過程にもヘテロジェネイティが存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hideyoshi Harashima et al.: "Kinetic modeling of liposome degradation in peritoneal macrophages." Biopharmaceutics and Drug Disposition. 16. 113-123 (1995)

  • [文献書誌] Hideyoshi Harashima et al.: "Size dependent liposome degradation in blood : In vivo/in vitro correlation by Kinetic modeling." J. of Drug Targeting. 3. 253-261 (1995)

  • [文献書誌] 原島秀吉: "薬物速度論に基づいたリポソームによる薬物送達システムの構築" 薬物動態. 10. 566-575 (1995)

  • [文献書誌] Yumi Morioka et al.: "Effect of liposome dose on the intracellular degradation of liposomes." Drug Delivery System. 45. 27-35 (1996)

  • [文献書誌] Hideyoshi Harashima et al.: "Studies on the hepatic uptake mechanism of liposomes with isolated perfused liver system." J. Liposome Research. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] Hideyoshi Harashima et al.: "Liposomal targeting and drug delivery : Kinetic consideration" Advanced Drug Delivery Reviews. (印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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