研究概要 |
機能性マイクロカプセル(MC)の粒子設計、および膜剤の分子・処方設計を行った。 1.外層にN‐isopropylacrylamide(NIPAAm)をグラフト化したコア-シェル型複合構造ラテックスは微粒子への良好な被覆操作性と自動成膜性を有していた。これは、NIPAAmにより形成されたハイドロゲルの低温での保水性、高温でのZipper効果による。またそれを被膜とするMCは、広範な低分子量内容物の温度応答性放出を示し、乳糖-ハイドロゲル間相互作用を利用すると高分子量のデキストランの溶出制御をも可能にした。 2.非溶出性膜剤として、アクリル系三元共重合体(EA‐MMA‐HEMA,モル組成9:9:4)ラテックスおよびエチルセルロース-コレステロール有機溶媒系膜剤を見いだした。ラテックスについては、サブシーブ領域微粒子の単核カプセル化を可能にする高分子特性を明らかにし、12:6:4copolymerを芯に、6:12:8copolymerを殻とするコア-シェル型ラテックスを開発した。 3.短時間遅延・制御放出・体内消失特性を持つ膜剤処方として、レシチン-コレステロール-ステアリン酸-ポリビニルピロリドン(重量比5:5:2:5)がin vitroで上記特性を有することを確認した。また、この膜剤を用いたMCの微量調製法を確立した。 4.中性子捕捉療法用のガドリニウムのモデル化合物として、GdのDTPAキレート化合物にステアリルアミンをアミド結合した疎水性化合物の大量生産に成功した。 5.誘導結合プラズマ発光分析装置による組織内Gdの定量法を確立した。
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