研究課題/領域番号 |
05671817
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川嵜 伸子 京都大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70077676)
|
研究分担者 |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
|
キーワード | コングルチニン / レクチン / 動物レクチン / cDNA / 遺伝子構造 / エキソン-イントロン構造 / コラーゲン様構造 / N-アセチルグルコサミン |
研究概要 |
コングルチニンは、ウシ血清中のN-アセチルグルコサミンに特異的なCa^<2+>依存性(C型)のレクチンであり、分子内にコラーゲン様構造(Gly-X-Yの繰り返し)を含み、最近、、コレクチン(Collectins ; Collagen-like lectin)と総称される動物レクチンの1つである。このレクチンの生物学的意義、および他のコレクチンとの遺伝子レベルでの関連を解明するために、遺伝子構造の解析を行った。 前年度までの研究により、コングルチニンの全長cDNA(1548bp)の全塩基配列を決定することができた。平成6年度はこの成果に基づき、コングルチニンのゲノム遺伝子のエキソン-イントロン構造を明らかにした。まず、cDNAの塩基配列をもとに、特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを設計合成した。これらのプライマーを用い、ウシ肝ゲノムDNAを鋳型としたPCR法、および制限酵素消化ゲノムDNAをベクター(カセット)にライゲーションしたものを鋳型としたPCR法を用いてコングルチニン遺伝子の断片を増幅した。これらの断片について直接塩基配列決定法を行い、エキソン-イントロン境界隣接領域の塩基配列を決定し、イントロンの位置および長さを明らかにした。 その結果、コングルチニンmRNAの翻訳領域は、7個のエキソンから成っていた。コングルチニンに特徴的な長いコラーゲン領域(55回のGly-X-Y)は、5個のエキソンに分かれてコードされていた。C型レクチンに共通のアミノ酸が保存されている糖認識ドメイン(CRD)と、ネック領域は、それぞれ別の1個のエキソンによりコードされていた。この遺伝子構造は他のコレクチンである肺表面活性アポタンパク質や血清マンナン結合タンパク質のものと非常によく似ており、いずれも共通祖先遺伝子に由来し、コラーゲン遺伝子とレクチン遺伝子のエキソンシャフリングによって生じているものと考えられた。また、遺伝子構造の高い類似性より、これらのレクチンの生物学的意義もきわめてよく似ていることが推定された。
|