研究課題/領域番号 |
05671875
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
川添 豊 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80106252)
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研究分担者 |
佐伯 憲一 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (60254306)
高橋 和彦 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (40117833)
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キーワード | 木質化素材 / 抗ウイルス剤 / リグニン / 感染予防 / エイズ |
研究概要 |
天然資源として豊富なリグニンの種々の生物活性を検討してきたが、今回、リグニンおよびその関連化合物の変異原性をAmes法を用いて検討したところ、天然、合成を問わず、いずれの化合物も変異原活性を示さなかった。さらに、これらリグニン類は、2-ニトロフルオレンおよび1-ニトロパイレンの変異原性を強く抑制することを見いだした。しかし、4-ニトロキノリンN-オキシドなどの2環性芳香族化合物に対しては抗変異原性効果を示さなかった。また、リグニン類は薬物代謝酵素S9を強く不活性化することも見いだした。一方、これらリグニン類の抗発癌性および抗発癌プロモーター活性を検討する目的で、7,12-ジメチルベンゾアンスラセンをマウスの皮膚に塗布し、プロモーターとしてTPAを追加塗布した際の発癌効率に与えるリグニンの影響を検討した。TPA投与前にリグニン類を塗布した場合には、有意に発癌率が低下し、これらリグニン類には強力な抗発癌プロモーター活性を有することが明かとなった。しかし、ここで用いた発癌物質の抗イニシエーション活性は認められなかった。現在、大腸発癌の実験系を用いて抗発癌活性についての検討を行っている。
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