• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

遺伝性高チロジン血症の分子遺伝学的解析と遺伝子治療の応用的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671886
研究機関熊本大学

研究代表者

遠藤 文夫  熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00176801)

キーワードチロジン / 遺伝子 / 突然変異 / モデルマウス
研究概要

本年度の研究では(1)遺伝性高チロジン血症I型原因遺伝子のクローン化、(2)本疾患での遺伝子変異の解明、(3)本疾患で二次的に障害される4-ヒドロキシフェニルピルビン酸酸化酵素(HPD)の遺伝子構造の解明を達成した。その結果、肝細胞特異的成熟障害をきたす疾患の遺伝子異常を明らかにし、さらに、転写の異常をしめす遺伝子の特徴についての考察も行った。
ヒトフマリルアセト酢酸分解酵素(FAH)遺伝子をクローン化し、その構造を明らかにした。その結果この遺伝子は全長が約40kbで、14個のエキソンから構成されていることが判明した。我が国のFAH欠損症患者由来の培養細胞を用いて、FAH遺伝子の突然変異の解析を行った。その結果アミノ酸置換を伴う点突然変異を見いだした。4-ヒドロキシフェニルピルビン酸酸化酵素の遺伝子構造の解析を行い、HPD遺伝子の大きさは、約30kbで14のエキソンにわかれていて、12番染色体上に位置していることを明らかにした。HPD遺伝子の調節領域の解析から(i)この遺伝子は肝細胞特異的な調節因子に結合する配列を有すること、(ii)この遺伝子は発達特異的な発現に必要な塩基配列を有すること、が明らかになった。さらに高チロジン血症マウス肝臓を用いてmRNAの解析を行ったところ、mRNAではエキソン7が欠損していることを見いだした。そこでこのマウスのHPD遺伝子のエキソン7とその近傍の塩基配列を決定したところ、エキソン7内終止コドンをもたらす点突然変異を見いだした。したがってこのマウスではエキソン内の点突然変異によってエキソンスキップが生じているものと考えられた。
これらの研究によって、本年度の目標にしていた遺伝性高チロジン血症の遺伝子解析を達成し、さらにモデルマウスの解析も終了することが出来た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Endo F.,et al.: "Structural organization of human fumarylace to acetate hydrolase gene and gene analysis in tvrosinemia type 1." Biochem.Biophy.Acta. (in press).

  • [文献書誌] 遠藤文夫 他: "遺伝性高チロジン血症マウスにおける遺伝子異常" 日本先天性代謝異常学会雑誌. 9. 153 (1993)

  • [文献書誌] 遠藤文夫 他: "遺伝性高チロジン血症マウス" 最新医学. 48. 1554-1559 (1993)

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi