研究課題/領域番号 |
05671924
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
玉置 治夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (20221400)
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研究分担者 |
日高 洋 大阪大学, 医学部(臨床検査診断学), 助手 (30243231)
光田 信明 大阪大学, 医学部(産婦人科学), 助手 (50209805)
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キーワード | 甲状腺刺激活性 / hCG / TSAb / 分別定量法 / 自己免疫性甲状腺疾患 / バセドウ病 |
研究概要 |
1.従来甲状腺株FRTL-5細胞におけるcAMP増加を指標とした甲状腺刺激物質の高感度測定法を用いて、バセドウ病合併妊婦血中の全体の甲状腺刺激活性が、TSAbによる活性とhCGによる活性の和であることを確認してきた(分別定量法)。 2.この分別定量法を用いたこれまでの研究では、出産後バセドウ病の発症の見られた症例では、妊娠初期にTSAbが陽性にも拘わらず有意の変化を示さず、むしろhCGによる甲状腺刺激活性が甲状腺ホルモンの動きと並行した動きを示し、バセドウ病の妊娠初期増悪との関連が示唆された。 3.次に多数例の妊婦を対象に出産後バセドウ病発症のスクリーニングをこの分別定量法を用いて行った。まず自己免疫性甲状腺疾患のスクリーニング検査をMCHA(甲状腺マイクロゾームテスト)で行い、陽性者について分別定量法を行った。その結果出産後6か月以後まで追跡しえた71人(262人:一過性のMCHAの全陽性者)中7例で、妊娠初期にTSAb陽性であり、その5例で永続性または一過性のバセドウ病の発症がみられた。一方TSAb陰性例からは出産後バセドウ病の発症は1例もみられなかった。 4.このように、自己免疫性甲状腺初期合併妊婦を対象にマススクリーニング検査を行うことにより、バセドウ病の出産後発症が妊婦の早期に予測可能となり、本研究が更に発展することが期待される。
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