ウアバイン様物質(OLF)は、生体内では濃度が極めて低いためにその高感度測定法の開発が待たれており、我々は高感度ELISA法の開発にまずとりかかり、増感法の応用によりpg/mlオーダーの高感度測定を実現した。HPLCにて生体試料を分析したところ、血漿と組織にはウアバインとほぼ同じ性質の物質が存在することを明らかにし、これを特異的に測定するための前処理法を確立した。これを応用すると、DOCA-食塩高血圧モデルでOLFの尿中排泄量が増大しており、視床下部のOLFが存在することを免疫組織化学で明らかにした。さらに、6-OHDAで脳内のカテコラミン作動神経を破壊すると視床下部-下垂体系のみならず血中濃度も減少することから、視床下部が血液中のOLFの産生部位であることが示唆された 臨床的な検討では、定期的な適度の運動が降圧をもたらすが、その際にジゴキシン様物質が減少することが報告されているのでこの点を検討した。その結果、3ヶ月の自転車エルゴメーターによる運動習慣により血圧は有意に下降し、血中OLI濃度も有意に低下した。このことから、運動はEDLFの産生を低下させることが示された。食塩との関連から考察すると、運動時には発汗するために食塩を喪失することも一原因と考えられる。 OLIは血中では蛋白と結合しており、強酸性で初めて解離する。そこで、ウアバイン結合蛋白についての解析を行った。種々の精製過程を経て得た蛋白の構造を解析すると、免疫グロブリンに告示したアミノ酸配列を示すことを明らかにした。この点についてはさらに詳細に検討し論文として発表の予定である。
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