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1995 年度 実績報告書

血小板依存性癌細胞傷害反応における細胞障害因子と細胞接着因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671936
研究機関愛媛県立医療技術短期大学

研究代表者

岡田 真理子  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (60111118)

研究分担者 櫃本 泰雄  愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (90136333)
富永 彬生  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (90036450)
佐川 輝高  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助手 (90162320)
キーワード血小板 / 癌細胞傷害反応 / TXA_2 / NO / 接着因子他 / N-アセチルグルコサミン
研究概要

細胞傷害反応における一酸化窒素(NO)の関与について:NO阻害剤であるメチレンブルーはLU99A肺癌細胞の血小板による細胞傷害反応は阻害したが、K562細胞の傷害反応は阻害しなかった。この結果は平成6年度に得られた結果と一致しており、LU99A肺癌細胞とK562細胞は異なった傷害反応経路で血小板による傷害を受けることが確認された。標的細胞と血小板の反応混合物の遠心上清中のNO(窒素酸化物)をGriess試薬により定量しようと試みたが、感度以下で測定することができなかった。おそらくマクロファージによる細胞傷害反応などで報告されているような多量のNOは血小板からは産生されず、NOは細胞傷害因子としてよりは、むしろ反応の調節因子として間接的にかかわっているのではないかと推測された。sodium nitroprusside(SNP)より安定なNO産生物質であるS-nitroso-acetyl-penicillamine(SNAP)もLU99A細胞に傷害を与えなかったことからも、NOは直接の細胞傷害因子ではないことを示唆している。したがって、血小板は前年度報告したようにTXA2を細胞傷害因子として使用する場合と、今年度確認されたようにNO産生系により調節を受けるTXA2以外の細胞傷害因子を利用する場合とがあることが明らかとなった。
標的細胞-血小板間接着因子について:種々の糖が阻害的に働くかを調べた。グルコース、ガラクトース、N-アセチルガラクトサミン酸、マンノース、フコース、ラクトースは何ら阻害作用を認められなかったが、N-アセチルグルコサミンに量依存的阻害活性が認められた。通常、N-アセチルグルコサミンは正常細胞の糖鎖の非還元末端には存在せず、糖鎖内部の分岐点に認められる場合が多い。しかし
K526細胞はこの糖を末端にもつガングリオシドG_<M2>を糖脂質中に含むことが報告されている。したがって、血小板がK562細胞と接着、認識する際にこの糖脂質を利用している可能性があるが、今年度中にはそれ以上の情報は得られなかった。また、活性化血小板に表出される接着因子pセレクチンが標的細胞と血小板との接着に関与しているか、免疫電顕で調べた結果、P-セレクチンが血小板による癌細胞との接着にかかわっている可能性は低いものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岡田 真理子: "血小板による腫瘍細胞傷害反応における細胞傷害因子" Int.T.Hematology. 61. 280 (1995)

  • [文献書誌] 岡田 真理子: "血小板依存性腫瘍細胞傷害反応に伴う標的細胞内Ca^<2+>濃度の変化" 日本免疫学会・学術集会記録. 25. 189 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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