研究課題/領域番号 |
05671938
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
内田 雅代 千葉大学, 看護学部, 助手 (70125938)
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研究分担者 |
猪下 光 岡山大学, 医療技術短期大学部, 講師 (30223291)
中島 光恵 千葉大学, 看護学部 (50241980)
古谷 佳由理 千葉大学, 看護学部 (90222877)
武田 淳子 千葉大学, 看護学部 (50157450)
兼松 百合子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (20091671)
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キーワード | 骨髄移植 / 血液腫瘍疾患患児 / 家族 / 意思決定 / 苦痛 / 社会生活 / アセスメント / 看護援助 |
研究概要 |
この研究の目的は、骨髄移植をうける患児や家族の(1)治療選択について、(2)治療中の苦痛について、(3)治療後の諸問題について、これらの実態とその要因をあきらかにし、この過酷な治療をのりこえていくための看護援助の視点を明確にすることである。 平成5年度は、過去に骨髄移植をうけた患児とその家族を対象に、患児や家族が骨髄移植前から現在までに体験したことを知るために、半構成的な面接を行った。母親への面接は、同意を得てテープレコーダーに録音した後、録音した内容をそのまま記録し、分析した。 患児3名、母親12名の調査結果が得られた。兄弟からの同種骨髄移植7名、自家骨髄移植5名であり、移植年齢は2歳から15歳、移植後5ヵ月から7年経過していた。疾患は再生不良性貧血2名、悪性腫瘍疾患10名であった。移植後、慢性GVHD1例、再発は1例であった。移植の説明から実際の治療までの期間が長いものは、その治療に関する情報を何回も質問できる機会があり多くの情報を得ていた。ほとんどの親はこの治療を「これしかない」と期待と不安の交錯する中で意思決定を行っていた。ドナーとなる兄弟に関して多くの親が不安を抱いており、提供後の成長を案じる両親もみられた。治療中の患児の苦痛は、内服の問題が、特に、年長児に多くみられた。治療後の日常生活は、比較的順調に社会生活が送れているケースが多かったが、体力の問題や友達と違うという身体的・精神的な問題のために学校復帰が困難なケースが2例みられた。骨髄移植を乗り切るために家族の協力が大きいようであった。今後、移植が失敗に終わったケースの調査を追加し、これらの結果をさらに詳細に検討し、骨髄移植をうける患児、家族に対する各時期におけるアセスメントの試案を作成し、活用しながら、さらに検討を重ねる予定である。
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