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1994 年度 実績報告書

基本的看護ケア-の基礎的研究-安静仰臥位洗髪時の生体負担について-

研究課題

研究課題/領域番号 05671946
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

井上 範江  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (80040062)

研究分担者 谷口 まり子  熊本大学, 教育学部, 助手 (10136707)
キーワード安静仰臥位洗髪 / 生体負担 / 快適性
研究概要

身体の清潔は患者に快適性をもたらすところの援助行為であるが、患者の状態によっては生体負担となりうる。そこで、本研究は安静仰臥位でケリ-パ-ドを用いた洗髪時の基礎的データを作る目的で、平均年齢18.9±0.99歳の健康な女子8名(10名を計画していたが、1名は当日被験者の体調悪く途中で中止、1名は測定機器のトラブルでデータが取れず)を対象に、1994年11月から1995年1月の間に、43.0〜43.2℃の湯を用いて、比較的少ない湯量すなわち小ピッチャー4杯の場合と2杯の場合の2つの条件で洗髪を同一被験者に実施し、代謝量、皮膚温および心拍数の変化から生体負担をみるとともに、快適性という観点から洗髪終了後に被験者の感じ方についての聞き取りを行った。なお、全ての被験者に対し、実験の条件・流れや洗髪の手順・方法を一定にした。以下に測定結果を記す。
1.代謝量はダグラスバッグ法による呼気採取後のガス分析により算出した結果、2杯および4杯の平均値比較ではいずれも洗髪前の安静仰臥位時に比べ洗髪終了直後に代謝量の増加がみられ、特に2杯では統計的に有意の増加がみられた。2杯と4杯の比較では、その増加量に統計的な有意差はみられなかった。
2.連続的に測定した8部位の皮膚温は、2杯および4杯ともに湯の影響を受けやすい左右の肩と額で洗髪中の皮膚温上昇が著しく、胸、前腕、大腿、ふくらはぎ、足背、および全身平均皮膚温(MST)では洗髪終了10分後に皮膚温が最も高くなった。MST平均値の安静時から洗髪終了10分後の上昇度の2杯と4杯の比較では2杯の方がやや高値を示した。
3.連続的に測定した心拍数の平均値は、2杯および4杯ともに安静時に比べ洗髪開始時と洗髪終了時に体のわずかな移動に伴う上昇がみられた。しかしながら、すすぎ始めからすすぎ終わりにかけては安静時よりも低下する傾向が示され、2杯に比べ4杯の低下が著しかった。
4.洗髪終了後の被験者の感じ方についての聞き取り調査では、湯量が少ないにもかかわらず洗髪終了後にはいずれの被験者も快適感があり、湯の温度に対しては8名中7名がやや熱いが快適であると答え、1名が湯の温度は普通であるが快適と答えていた。また、湯量が異なることに気づき指摘した被験者はいなくて、1回目と2回目の比較では2回目の方が気持良かったと2名が答えていた。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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