研究課題/領域番号 |
05671947
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 講師 (60203212)
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研究分担者 |
島口 貞夫 北里大学, 看護学部, 教授 (30050389)
ライダー 玲子 北里大学, 看護学部, 教授 (90191676)
川口 優子 北里大学, 看護学部, 講師 (90152941)
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キーワード | 医療消費者主義 / 共同行為 / 意思決定 / 看護ケア / 学習プログラム |
研究概要 |
研究目的は医療消費者主義を理論基盤にして、看護婦が患者に対する看護共同意思決定を促進するように考案された学習プログラムの効果測定であった。研究方法として、大学病院の4つの成人系病棟を選び、2つの病棟を実験群、他の2つをコントロール群とした準実験が用いられた。対象である患者と看護婦ともにインフォームド・コンセントを得た。 研究結果として学習プログラムにより実験群の看護婦は、看護意思決定の定義と意思決定への患者参加がより理解できた。さらに、実験群の看護婦は理論の理解にともない、患者の情報を得る権利への態度傾向が有意に強くなった。しかし、対照群との比較で有意差がないことから、患者への情報提供を妨げる環境要因があると思われる。 1988年から1991年におこなった看護共同意思決定の国際比較調査で明らかにしたように、年齢が消費者主義態度の違いを生じさせる要因である。学習プログラム後にも、年齢差が自己決定権への態度変容に影響していた。学習プログラムは年齢による態度の違いを解消しなかったが、実験群の看護婦は自己決定権への態度を有意に高めた。しかし、消費者主義への態度変容はあったにもかかわらず、行動変化を生じなかった。それには、看護共同意思決定は学習プログラムだけでは、解決されない要因があると推測できる。
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