研究概要 |
1.アニオン及び非イオン性界面活性剤混合系のイオン性吸着剤への.吸着特性・・・イオン性吸着剤であるIRA94HBrに対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NaDBS)及び非イオン界面活性剤(E906-E950)の吸着は,非イオン界面活性剤単独ではエチレンオキシド付加モル数が少ないほど吸着量が多くなった。NaDBS-E931の混合系においてはNaDBSの吸着量はE931を混合することにより減少した。またE931の混合割合が多くなるに従って減少した。NaDBS-E906の混合系及びNaDBS-E911の混合系においても同様の結果が得られた。またNaDBS-E147及びNaDBS-E120の混合系においても同様の傾向を示したが,NaDBS-E105の混合系においては混合比によってはNaDBS単独系の吸着量よりも増加した。ポリオキシノニレフェニルエーテルとポリオキシラウリルエーテルを比較すると,後者のベンゼン環を含まない界面活性剤の方が吸着量の減少割合が少なかった。 2.アニオン及び非イオン性界面活性剤混合系の非イオン性吸着剤への吸着特性・・・非イオン系吸着剤である活性炭及び合成吸着剤による非イオン界面活性剤E906-E950の吸着において,その吸着量はアニオン界面活性剤に比べ非常に多く,エチレンオキシド付加モル数が少ないほど吸着量が多くなった。さらにNaDBS-E911の混合系,及びSDS-E911の混合系においては,NaDBS及びSDSの吸着量はE911を混合することにより増加したが,E911も混合割合が多くなるに従って減少した。一方,E911の吸着量は,NaDBS又はSDSを混合することにより減少した。その割合は,SDSよりNaDBSを混合した場合の方が大きく,NaDBSやSDSの混合割合が多くなるほど吸着量は少なくなった。これらの結果より活性炭及び合成吸着剤に対する混合吸着の機構を考察するとともに,廃水処理に関する基礎知見を得ることが出来た。
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