研究概要 |
1.更年期の人々のQOL評価の質問票開発と妥当性・信頼性の検討 更年期のQOLの概念を「身体的、精神的ならびに社会的側面からみた主観的健康」とし、構成要素は、1.身体的な健康に対する意識,2.精神的な健康に対する意識,3.生活の満足感,4.社会的参加・支援として79項目からなるQOL質問票原案を開発した。更年期の男・女1,000名(有効回答率447名)に原案を適用し、質問項目の精選を行い、38項目の本案を開発した。因子妥当性が観察され、さらに、2カ月後に同一対象者に対して同様の調査を行った結果、高い信頼性(一致率0.535〜0.970)が得られた。 2.横断的研究 茨城県在住の更年期男・女100名を対象として、臨床検査値(ヘモグロビン、血清のコレステロール、アルブミン、フェリチン、ビタミンB_6,C、β-カロチンなど)から栄養状態を判定し、1)の質問票によって評価されたQOLとの関連を観察研究中である。 血液中のフェリチンならびにビタミンなどの微量栄養素の濃度が低下し、栄養状態が、潜在性の栄養素欠乏状態におちいっている人々では、QOLは低下している者の多いことが観察されている。 1.の結果については、現在日本公衆衛生学会雑誌に投稿予定で、執筆中である。
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