研究課題/領域番号 |
05680043
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
青峰 正裕 中村学園大学, 家政学部, 教授 (60091261)
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研究分担者 |
太田 千穂 中村学園大学, 家政学部, 助手
大和 孝子 中村学園大学, 家政学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 香辛料辛味成分 / 非栄養素 / 生理作用 / 心臓 / 子宮 / 収縮 / 呼吸 / 抹消血流量 / Contraction / Blood flow |
研究概要 |
実験に使用した香辛料辛味成分はカプサイシン(以下Cと略、とうがらし)、ピペリン(P、こしょう)、ジアリルジサルファイド(D、にんにく)の三成分であり、収縮張力はストレインゲージにて、血流量はLaser Flow Meterにて測定した。 研究1.モルモットおよびラット摘出心室筋に対するCの効果。 モルモット:カプサイシン(C)は収縮張力を低濃度(〜0.1μM)で増強したが、高濃度(≧10μM)では濃度依存性にそれを抑制した。しかしβブロッカー存在下では低濃度における増強はみられなかった。刺激頻度1Hzでの張力抑制のEC_<50>(50%有効濃度)は10μM。ラット:モルモットの場合と異なり、使用した全ての濃度(1nM〜0.1mM)で張力を抑制し、刺激頻度1HzでのEC_<50>は0.1μMと低い。なお、このEC_<50>は刺激頻度の上昇に伴い増加した。一方、rested-state contractionで細胞内Ca貯留への作用を調べたが、高濃度でも殆ど影響はみられず、我々のモルモット単一心筋細胞でのCa電流に対するCの著しい抑制作用より、心筋収縮抑制作用はCaチャネルを阻害することによりCa電流を抑制することによりもたらされるものと結論した。 研究2.ラット摘出子宮筋自発収縮張力に対するC、PとD作用の比較。 一般に三成分ともに張力を抑制した。張力振幅に対するEC_<50>はC(0.1mM)>P(50μM)>D(20μM)の順であり、自発収縮頻度に対してはC(0.1mM)>D(20μM)であった。なお、Pは少なくとも0.1mMまでは頻度を有意に抑制しなかった。心筋の場合と同様にCaチャネルを阻害することにより収縮を抑制するものと思われた。 研究3.正常および糖尿病ラット個体における腹部抹消血流量と呼吸数に対する各種辛味成分の嗅覚および味覚刺激効果の比較。 嗅覚実験:正常ラットに対しては、三成分とも呼吸数と血流量に影響を与えなかったが、糖尿病ラットに対しては、やや増加の傾向があった。味覚実験:正常ラットでは三成分とも呼吸数をやや増加し、糖尿病ラットに対しては減少した。血流量は正常ラットでは変化せず、糖尿病ラットでは減少した。三成分間の差は殆どなかった。正常ラットでの呼吸数の上昇は交感神経の緊張を介してのアドレナリン分泌によるもので、糖尿病ラットの場合、知覚神経異常によってもたらされたものと思われた。
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