1.学問分野形成について科学社会学的研究、歴史研究における動向を中心に検討した。新分野形成の諸要因についての整理、および学問分野史のもつ諸機能について、近年における社会的構成の視点からの分野境界分析などをふくてめ取り上げた。 1.ポッゲンドルフ科学論文集および科学者名簿、ロイヤル・ソサエティの19世紀科学論文集を調査し、そこに現われた世紀交代期における当時一般的な学問分野地図、および統計的な概観をあたえ、その上で日本の位置についても再確認を試みた。 3.諸外国における天文物理学の分野形成の諸特徴と比較しつつ、この時期における日本の天体物理学の受容について、平山信をとっかかりにして、天文学、物理学などとの関係を中心に新分野形成に関する諸問題を考察した。 4.物理学と天文学にわたる位置にある田中館愛橘について、二戸の田中館文書のうち物理諸科学関係を収集し、調査した。そのうちとくに、精密科学としての物理諸科学の分野形成にかかわる誤差論について、彼の教育・研究のなかでとりあげ、その意義の検討を試みた。
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