研究概要 |
最後の第3年目は収穫期である。これまでの仕事をまとめて、『通史:日本の科学技術』(学陽書房、1995)の第1巻に研究代表者(中山茂「民主主義科学者協会」、「品質管理の日本的展開」「敗戦直後の科学技術界の実体」「科学情報の国際交流」「科学者の海外派遣」など)と研究分担者の仕事(八耳俊文「学会の民主化とレッドパ-ジ」「付録1、担当部局別SCAPIN番号一覧」「付録2、経済科学局科学技術課関連SCAPINおよびSCAPIN-A一覧」「付録3,GHQ/SCAP経済科学局・科学技術課職員一覧」)(常石敬一「石井部隊」)が出版された。これは概説書の一部のように見えるが、実は各章それぞれ学術論文に相当するものである。研究代表者はそのほかに『科学技術の戦後史』(岩波新書、1995)を出版し、また研究代表者は論文「科学技術立国」『戦後改革とその遺産』(『戦後日本:占領と戦後改革』岩波vo1.6)pp.105-136を副産物として出している。 今後はこの科研費で集めた占領軍資料を整理し、その中から占領軍科学技術課の正史に当たるNon-military historyと占領後期の科学技術課次長で我々の研究に助力を惜しまれなかったBowen Dees博士の回想録を訳出する予定である。
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