平成6年度は、前年度の研究成果を受けて、大学生(250名)を対象とし、「フェミニニティ規定に関する調査」を行った。調査内容を大別すると、(1)競技スポーツを男女別に分けることについて、(2)この規定の必要性について、(3)検査方法について、(4)性転換選手について、(5)性染色体異常選手についてに分けられる。 X^2検定の結果から、次の5点が統計上有意とみなされた。 (1)この規定の存在を知っている学生は、体育専攻の大学と、体育会所属者の方が多かった。(2)女性だけの検査に対して、異議を唱える女子が男子に比べで多かった。(3)国際大会出場経験の有無によって、男女別競技の是非についての意識の違いが認められた。(4)国際大会出場経験者には、これまでの検査よりもさらに厳密な検査を求める意見が多かった。(5)「上位入賞者だけに検査すべき」という質問に対して、レギュラー選手と補欠選手との間に差異があり、レギュラー選手の方が全員に検査すべきとの回答が多かった。 この調査結果全体から判断すると、男女別競技の実施には賛意を示しているとは言え、性染色体異常選手の排除には問題があるという意見が多いことが判明した。この規定の改廃には、さらなる議論の積み重ねが必要であることが示唆された。
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