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本研究は、動作の意識化が運動の習熟に及ぼす効果を調べることを目的として計画された。動作の意識化による比較を行うために、指導における強調のポイントを変化させ、具現されるパフォーマンスに及ぼす影響を分析した。
被験者として大学生男子20名を用い、投球動作及びテニスのスイングを運動課題として実験を行った。肘と手首、膝と踵を指導のポイントとして条件設定し、指導の過程で教示とスティックピクチャーによる動作の意識化を行った。指導の内容は、部位の位置、スピードを中心にしたものであり、プレテストと指導過程(3日目、7日目、10日目)での動作をビデオ撮影した。
ビデオ解析システムを用い、3次元で動作を分析し、各部位の位置、角度、角速度、および角加速度を数量化、図式化することにより、条件による差異を比較した。
得られた知見をまとめると次のようになる。
1.一定の部位に意識をすることにより動作に変化が生ずるが、被験者の技能レベルや運動経験により差がある。
2.学習が進むにつれ、動作への意識がパフォーマンスに及ぼす影響が強くなる。
3.上肢(肘、手首)への意識化は、上肢ばかりでなく下肢(膝、踵)の動作への影響も生じた。この結果は運動の指導において、変えさせたい部位を間接的に意識させることの有効性を示唆するものである。
4.意識化により生ずる変化は、部位の位置よりもスピードの方に多くみられた。
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