研究概要 |
阿蘇火山およびその周辺地域において、湧水を主眼におき、水文化学的な見地から調査・研究を行うものである。調査・研究事項としては、現地での湧水の採水、採水したサンプルについての水質分析作業およびそれらの解析である。現地調査には、この調査地域がかなり広域(面積約5000km^2)であることを勘案し、地域的な分布を考慮して、5地区(外輪山の東・南・西・北麓およびカルデラ内)に分けて、順次調査を実施することにした。本年度は外輪山の西・北麓およびカルデラ内の3地区を中心に現地調査を行ってきた。 研究対象地域の市町村やその他の機関への湧水の分布状況等に関する聞き取り調査を行った。この聞き取り調査とこれまでに公表されている既存資料等のデータを集計したところ、阿蘇火山の周辺地域にはおよそ1,500ヶ所ほどの湧水が存在しているものと見積れる。 本年度は3回の現地調査を実施し、外輪山の西・北麓およびカルデラ内の3地域で湧水をはじめとする地下水と河川水について、およぼ100ヶ所の地点でサンプリングを行った。これらサンプルについては主要溶存成分の水質分析を順次実施した。また、主な20ヶ所余りの地点については、^<18>O・^2H・トリチウムなどの環境同位体用のサンプルの採水も同時に行ったが、これについては分析を依頼しているところである。 なお、一部地域については研究成果を公表した。また、次年度は外輪山の東・南麓の2地区および本年度に残した部分について現地調査を行う予定である。
|