研究概要 |
3+4=( )において( )=7と正しく答えられるのに、ろう学校の子供達は『3は4と7』とか、『4は7と3』と言う。このようなことが起こる原因とその解決方法を示すこと、これが、平成5年度の最大の課題であった。 そこで、我々は次のことを実行した。 (1)足算・引き算をするために必要なすべての念頭操作が出来るようにするためのテキストとビデオ教材の作成 (2)(1)の教材を使ったいろいろな授業の設計・実践 その結果、ろう学校の子供達に次のような変化が現れてきた。 (a)3+4=7を見て“3と4で7"とか“7は4と3"などと正しく言えるようになった。 (b)日常生活の中で“誰々ちゃんのキャラメルは私のよりいくつ多い(とか少ない)"とはっきり数の大小関係を認識して、それを正しく言語表現するようになった。 (c)2年生になって357+285などの計算をするときでも指を全く使わなくなった。 これらは、これはろう学校の子供達にとって大きな変化であった。特に、(b),(c)は(福井県立ろう学校長の話しによると)これまでのろう学校では考えられなかったことであるという。小学校1年を対象に作成された上記の学習教材を(子供達の言語能力を高めるために)現在ろう学校では3年生にも使うことを検討している。 以上が平成5年度における我々の研究の主な実績(成果)の概要である。
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