近年文部省によって「環境教育指導資料」が刊行されるなど、環境教育を推進することの重要性が増大している。ところで、環境教育を成果あるものとするための基本は、幼少年期にある子どもの「自然に対する感性の育成」と「自然に対する身体的対応の助長」にあると、わたしたちは考えている。 本研究では、「自然に対する感性の育成」と「自然に対する身体的対応の助長」にとって重要であると考える、自然の事物や事象を対象とした活動を、わが国の幼少期の子どもの「自然とのかかわり方の実態」「自然とのかかわりの欠如がもたらす影響」などを考慮して、28の活動の種類、67の活動例、31の活動によって出会い得る場面や気付き、21の活動を通して育てたい関心、等を構造化して示した。さらに、これら活動の中で代表的と考える活動をとりあげ、小学校で実施可能な環境教育教材として、具体的活動の展開に対応させた11のモジュール教材を開発した。 つぎに、これらのモジュール教材を含め「(1)環境教育の必要性 (2)小学校における環境教育 (3)環境教育と生活科 (4)自然とのかかわりからみた望ましい活動 (5)具体的活動と期待される気付き・関心 (6)活動モジュールの実際例」の5項目によって内容構成された報告書を作成した。本報告書は「教師の指導手引き」として利用され、これらのモジュール例を参考にして、多くの新しいモジュールが教師によって開発されることを企図して作成されている。
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