研究課題である天文教育用ソフトの開発を念頭におき、パソコンによる画像操作に関する技法開発とともに、実地の天体観測にもとづく画像取得の実践と技術開発を行った。研究の内容と実績は次の通りである。 (1)天体画像の実地撮影とそのデータベース化 天文教育ソフトの今後の動向として、画像が重要な役割を持っている。その観点で、先年よりパソコンで扱える画像データ検索システムの開発を行っている。 本年は、本学に新設された50センチ反射望遠鏡を中心とする観測システムを用いて天体画像を撮像し、そのデータベース化を行った。また昨年度に続き、銀河画像のデータベースを拡充する作業を行った。 (2)学校および大学におけるパソコンによる天文教材の開発 高校地学の力学教材にコリオリ力がある。本研究において、地球上でのコリオリ力の現象をシミュレートするパソコングラフィックの教具を開発した。これは、3次元の力学現象を生徒に理解させるのに有用である。研究の内容は地学教育学会誌に投稿中である。 また、学習用のコンピュータソフト開発の一環として、CD-ROM中の大容量データベースを活用する技法を開発し、日本天文学会の会報で発表した。 (3)天文教材ソフトの分析 内外の天文教育用ソフトを入手して、その分析を継続して行っている。
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