研究課題/領域番号 |
05680172
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
中野 靖夫 上越教育大学, 学校教育研究センター, 教授 (60042686)
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研究分担者 |
田中 敏 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20171754)
南部 昌敏 上越教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90143627)
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キーワード | プログラミング / 学習履歴 / 教育評価 / プログラミングの評価 |
研究概要 |
プログラム作成は問題解決、コーディング、キ-操作技能等を統合した知的作業であり、その作成過程を分析、評価していくことは教育学、情報学、認知科学、工学等の分野において意義有ることと考える。プログラム作成中には修正、変更、誤文記述等さまざまな出来事、即ちエピソードが発生する。しかし、このような状況を教師は全て観察し掌握しているわけではなく、評価は出来上がったプログラムを対象にしているのが現状である。 そこで、本研究はコンピュータプログラムを使用し、学習者の全ての操作を観察者の望む速度で何度でも再現する方法によって評価法を開発することを試みた。今年度は、中学生のLOGO言語、短期大学生のBASICプログラミングを分析、評価した。完成に至るまでの作成課程の正文、誤文の度数の計量や誤答分析によって、その作成集団の言語の理解度、作成方法の適否や個人の作成過程を評価することができた。また、机間巡視や観察により作成課程に特徴のある4タイプの工業高等専門学校の学生に課題を与え、C言語のプログラム作成の作風、構築過程を明らかにした。また、これらの学生の作成過程をカテゴリ法により操作傾向を明らかにしている。さらに、作成過程を詳細に分析し言語プロセッサの不適切な点を指摘した。 本研究は、まず、個人のエピソードを追跡し個人の理解度や使用された方法の妥当性を評価した。次に、集団のエピソードをカテゴリで分析し、その頻度と時系列から集団の特徴を明らかにした。そこで、評価されるのは、集団の理解度あるいは教育内容の適切性、言語プロセッサの品質、性能等である。つまり評価視点を設定することにより学習者のみではなく学習環境も評価される。教育の評価は学習者の評価に止まりがちであるが、通常観察できない作成過程を分析することにより学習環境の評価が可能になったのである。
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