1.研究目的と方法:本研究では、学習者自ら学んだことや創造したことをデータベースに登録・蓄積して、学習成果の共有を図る「学習者参画型データベース」についての開発法や改善法を検討することを目的としている。とくに、ハイパーメディアは、この目的に適していると考え、その可能性を具体的な開発に基づき検討した。 2.研究実施項目と成果 (1)ハイパーメディアによる学習者参画型データベースの開発の継続 前年度までにハイパーカードを用いて開発してきた学習者参画型データベースを継続してデータベースの充実をはかった。最も蓄積が進んだものは、「三重のお祭りデータベース」で、65作品(49種類)、全カード数は約700枚である。他に、教育工学のレポートを集約した「教育工学レポートデータベース」、受講者が推薦することがら(観光地・施設・本など)を集約した「私の推薦データベース」を開発することができた。 (2)作成されたデータベースの改善方法の検討 データの蓄積の多い「三重のお祭りデータベース」について、改善法の検討を進めた。作品評価表から得られた評価データとコメントの自由記述から、個々に登録されたデータ(作品)についての具体的な改善案がたくさん得られた。いくつかの作品については、実際に改善作業を行い、その結果、評価が高まることを確認した。 (3)データベースの活用方法の検討 現在検討中の段階であるが、受講者がハイパーカードを用いて自分の作品を作るときに、最も役立っていることがわかった。いつでも見たいときに自由に見ることのできる環境の準備が大切である。
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