研究概要 |
特殊教育におけるパソコン通信の現状について,国内外の研究成果を中心に検討・分析し,実際にパソコン通信を実施している機関等から資料収集を行った。また,パソコン通信の利用状況,利用目的,不安等の情報行動や学校に導入する際の問題点等を明らかにするために,全国の特殊教育諸学校の教員を対象に調査を実施し,数量化II類等を用いて詳細に分析を行った。その結果,現状では,パソコン通信を利用している教員は極めて少ないが,今後は学校にパソコン通信が入ってくると考え,障害児にとってコミュニケーションの手段となるので,これからは障害児にパソコン通信の利用方法について指導していく必要があると考えている者が大半を占めた。パソコン通信に対する不安感に関しては,非利用者の方が高い傾向にあることがわかった。特に,IDが悪用される,どんな人が利用しているのかわからないについては,不安感が高い。また,利用者の内,利用頻度が低い者ほど不安傾向があることがわかった。次に,パソコン通信を学校に導入する際の問題点として,回線使用料等の「経費」を指摘する者が多かった。 今後の課題としては,特殊教育におけるパソコン通信に関する研修内容を具体的に明らかにし,研修カリキュラムを開発するとともに,指導事例集を作成することがあげられる。 これらの成果を本研究所の研究紀要で発表する等,当初に計画した研究目的,研究計画・方法に対して達成することができた。
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