平成6年度は、パソコン通信を利用した構成主義的カリキュラムの提案とパソコン通信に対する不安の分析を行い、これら不安に関与する要因を探った。その結果、構成主義の観点から、教授活動は教えることがらを系列化することよりも、生徒が関心を持っている場面の状況と能動的なやりとりをすることが重要である。その点、パソコン通信などを利用した通信ネットワークは、能動的学習を支援する有効なツールとなる可能性を認めたことは興味深い。 パソコン通信に対する不安感に関しては、両者とも回線使用料が高い、悪用する人がいると考えている者が多い。IDが悪用される、どんな人が利用しているのかわからないについては、特に非利用者の方が不安感が高い。また、「パソコンの経験年数」が不安に対して大きく寄与しているといえよう。特に、パソコンの利用経験年数の短い場合はパソコン通信に対する不安が高まるといえよう。年齢もほとんどの側面において大きな影響を示した。 今後の課題としては、インターネットを利用した構成主義的カリキュラムの開発を行う。また、生徒が通信ネットワーク環境を利用する場合の問題点等をさらに具体的に明らかにする必要がある。 これらの成果を日本教育工学会で発表する等、当初に計画した研究目的、研究計画・方法に対して達成することができた。
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