本研究は、特殊教育に携わる教員を対象に、パソコン通信の利用状況や利用目的、利用の動機、パソコン通信に対する不安や期待等の情報行動を明らかにした。また、通信ネットワークを取り入れた教材を開発し、その有効性を検討することを目的とした。結果は、次のとおりである。 1.現状では、パソコン通信を利用している教員は極めて少ないが、今後は学校にパソコン通信が入ってくると考え、障害児にとって相互のコミュニケーションの手段となるのでこれからは障害児にパソコン通信の利用方法について指導していく必要があると考えている者が大半を占めた。 2.パソコン通信は、聴覚障害児、肢体不自由児、病弱・虚弱児に、特に有効であると考えている。 3.パソコン通信に対する不安感に関しては、パソコン通信の利用者、非利用者とも「回線使用料が高い」、「悪用する人がいる」と考えている者が多い。「IDが悪用される」、「どんな人が利用しているのかわからない」については、特に非利用者の方が不安感が高い。 4.パソコン通信の利用者のうち、利用頻度が低い者ほど不安傾向がある。 5.パソコン通信を学校に導入する際の問題点として、回線使用料等の「経費」を指摘する者が多かった。また、研修の充実や指導事例集を望む者も多かった。 6.コンピュータネットワークを利用した構成主義的教授・学習観に基づいた教材開発について検討した。今後は、インターネットを利用した教材の開発が必要であることが強調された
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