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1994 年度 研究成果報告書概要

精神遅滞児のバランス障害克服のための指導に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05680204
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 教科教育
研究機関金沢大学

研究代表者

国分 充  金沢大学, 教育学部, 助教授 (40205365)

研究期間 (年度) 1993 – 1994
キーワード精神遅滞児 / バランス / 視運動性眼振 / 身体動揺 / 行動調整能力
研究概要

視野情報を統制しての身体動揺の測定を健常成人、健常幼児、及び精神遅滞児を対象として行った。身体動揺の計測はこれまでは、足底圧の変化を身体重心の変化としてとらえる装置により行ってきたが、動揺の大きい者はバランスがわるく、動揺の小さい者はバランスがよいと真に言い得るのかどうかという機能的な意義が今一つ明確でなかった。というのは、一般にバランスがわるいと言われ、また、我々のこれまで行ってきた平均台歩きや片足立ちというバランス運動の成績も確かにきわめて低いダウン症候群児の重心動揺がかなり小さいという、通常考えられる重心動揺の大小とバランスとの関連からすると矛盾する知見が得られていたからである。そのため、本年度は、足底圧の変化より身体動揺を計測するのではなく、機能的意義の明確な頭部動揺の測定を行った。すなわち、頭部動揺は頭部の保護・安定という観点からすると、それが小さければ小さいほどバランスはよいと言い得る。健常成人、健常幼児では、身体重心動揺と同様の年齢とともに動揺が小さくなっていくという結果が得られ、精神遅滞児では、臨床型ごとに見ると、ダウン症候群児では、他の精神遅滞児と比較してかなり動揺が大きいという結果が得られた。このことは、彼らの重心動揺がかなり小さいというこれまでに得られている知見と重ねあわせて見ると、ダウン症候群児は逆振り子様に身体が動揺していることを意味する。これは、きわめて非機能的な動揺で、彼らのバランスがきわめて低いという事実と合致するものである。眼球運動機能については、引き続き視運動性眼振の測定を行った。精神遅滞児について、臨床型別に見ると、ダウン症候群児については視標の追従機能の未熟性を、自閉症児については注意や動機の問題を示唆する追跡自体の不成立を示唆する結果が得られた。その他、平均台歩き、片足立ちについては、なすべき課題を明確に示す外的な手がかりが存在する事態でそれを行うことがバランス能力の改善につながるというこれまでに得ている知見を確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 国分充 他: "知能障害児童及び成人のバランス運動と行動調整能力" 特殊教育学研究. 31(4). 27-35 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 国分充 他: "幼児期の身体動揺に視覚が及ぼす影響の動揺方向による差異" Equilibrium Research. 53(2). 299-305 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 国分充: "精神遅滞児・者のバランスの多要因的・多水準的解析" 風間書房, 248 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Mitsuru Kokubun et al.: "Relation between Balance Performance and Behavior Reguation of Persons with Mental Retardation" The Japanese Journal of Special Education. 27-35 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Mitsuru Kokubun and Toshihide Koike: "Problems in Balance Performance in Mental Retardation" Medicine and Sports Science. (in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1996-04-15  

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