研究概要 |
本調査研究は,成人のアマチュア(非職業的)音楽活動を研究対象とし,参加者が特定の音楽活動に参加し,継続する過程を明らかにすることを通して,学校教育後の人々の音楽生活に対する学校の音楽科教育の位置づけを行なうことを目的に,平成5・6年度の2カ年計画で遂行するものである。平成5年度は,(1)余暇活動に関する既存統計の再分析と(2)社会人のアマチュア合唱団体団員を対象とした質問紙調査を実施し,その分析を行った。 (1)については,アマチュア音楽活動参加者の人数,活動頻度,活動種目等を年齢階層別,性別,地域別等の属性別に分析した。この中で注目されるのは,性別,年齢階層別の特色である。 (2)については,近畿エリアを中心に各団体経由で質問紙調査票の配布,回収を依頼し,滋賀県12団体(320人),京都府8団体(190人),大阪府14団体(450人)からの回答を得た。さらに追加調査として,比較のために東京都内の合唱団体にも調査への協力を依頼し,現在のところ2団体から回答を得ている。分析結果から,アマチュア合唱団参加者の過去の音楽経験や学校の音楽科教育への意識等をとらえると,過去の音楽科教育の時代的流れ等を反映して,高齢者,主婦層,若年層において相違がみられた。 次年度は合唱団の組織のタイプを考慮しながら,分析を継続するとともに,指導者及び団員への聞き取り調査を実施し,2カ年の結果をまとめて報告書を作成する。
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