本年度の研究の中心は、これまで入手したGHQ-CIE文書のマイクロフイツシユのうち、1945年から1048年前後にかけてのものを、Daily Report Weekly Report、および各CIE担当官別フアイルを日付ごとに整理する作業であつた。各Reportは、毎日種々の内容のテーマごとに5〜8ページから10数ページに及ぶが、今回は、社会科教育に限定し、その会話のテーマ、報告者、出席者につて確認し、内容については特に本研究に関係が深いと思われるものは報告全文を、それ以外のものについてはキーワードで整理した。 15EA02:これらのデータはNECパーソナルコンピユーター(本研究費で購入)のデータベースソフトト「桐」を使用してカード型式で入力した。1994年2月段階で入力件数は1757件になつている。この中で1947年11月に文部省内に設置された「中等国史教科書編募委員会」を中心とした文書記録の整理が今年度研究の中心となつた。とりわけ1947年11月13日の設置時のReportにより、当日の会議の様子や、実際の発言等が明らかになつたし、続く記録は1948年4月まで数回分のものが確認された。これらの記録中、これまで日本側史料や日本側委員の回想等で確認されてきた、歴史教育の内容検討にかかわる部分が、CIE側にも確認され、両者を批判的に比較することが可能となつた。本年度は、委員会の経緯に関連する部分に焦点をあてて、日本社会科教育学会の学会誌『社会和教育研究』に論文掲載予定である(1994年3月発行 第69号)次年度は、本年度の成果をふまえて、CIER・E-CORDの中から未確認史料をfish to fishで入手し、データベース化し、占領後期における歴史教育にかかわる事柄、教育書等々への各人、各団体の対応について考察を加えて1K心算りである。
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