研究概要 |
多変量解析における統計的数値計算法に関して理論的・数値的両側面から、以下のような研究を行った。 (1)計算機の発展・普及にともない、あらゆる分野でより複雑かつ高次の情報処理の必要性が生じ、最尤法の枠をはずしたモデル、ベイズアプローチによるモデル等、多様な統計モデルの構築が試みられている。このような状況に対応して、ここでは、様々なモデルを評価するための規準構成を目的として、基礎理論研究を行なった。その結果、ロバスト推定量、Penalized likelihood、ベイズアプローチに基づいて構成されたある種の予測分布等に対する評価規準の構成法を、情報量規準の枠組みの中で提唱することができた。 (2)因子分析における因子負荷量、独自因子の分散の推定量の変動を有効に捉えるために、ブートストラップ法の適用を検討した。その結果、バイアス推定、分散推定、信頼区間の構成に関して、実際上どのような状況で手法が有効に働くかを明らかにし、また適用上注意を要するいくつかの点を指摘することができた。 (3)n個の成分から成るシステムにおいて,連続した少なくともk個の成分が故障したとき,システムが機能しなくなるシステムをConsecutive‐k‐out‐of‐n:Fシステム(Con/k/n/Fと略す)という.Con/k/n/Fの例,拡張やその例を紹介した.成分間の仮定を分類することで,扱われている問題を整理し,どのようなことが研究されているのかを調べた.
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