研究概要 |
三分岐判定図(TDD)を用いて,AND-OR形論理式およびAND-EXORを効率よく表現する手法を考案した。 1)AND形TDDを用いて積和形論理式を陰に表現し,積項数が100万個を越えるような論理式をワークステーションのメモリ上で能率良く表現することに成功した主項生成に関しては,計画通りBDDからTDDを生成し,全ての主項を表現するプログラムを開発した。そのプログラムの性能は,従来の主項生成プログラムの性能を圧倒的に上回るものであり,大きな成果を得た。また,計算の際に必要なメモリを推測するための公式も導いた(論理合成の国際ワークショップで発表)。 2)EXOR形TDDを用いて。種々のAND-EXOR形論理式を簡単化する方法を開発した(発表論文2)。AND-TDDは第三の枝に二つの部分関数の論理積(AND)を対応させていが,EXOR形TDDでは,第三の枝に二つの部分関数の排他的論理和(EXOR)を対応させたもので,AND-EXOR形論理式の簡単化や,EXORを含む論理回路の合成に利用できることが分かった。 三分岐判定図(TDD)を記憶するには二分岐判定図(BDD)よりも,はるかに大量のメモリを必要とする。そのため,設備として,大容量のハードディスクを購入し,既存のワークステーションに付加して用いることとした。また,消耗品として,増設メモリを購入した。これは,早い時期に実験データを求め,研究の方針を決定したいためである。
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