研究課題/領域番号 |
05680290
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
落水 浩一郎 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10022310)
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研究分担者 |
山口 高平 静岡大学, 工学部, 助教授 (20174617)
篠田 陽一 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (50206108)
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キーワード | エキスパートシステム / ネットワーク故障診断 / 深い知識 / プロトコルスタック / 知識コンパイル / 故障木 |
研究概要 |
平成5年度は、以下にのべる4点にわたって研究を実施し、それぞれ当初の目的を達成する成果を得た。 1.専門家の故障診断事例の収集と分析 ネットワーク故障診断の専門家に対して、知識工学の専門家がインタビューをおこない、代表的な故障診断事例に関するデータを収集・整理した。その結果、故障事例の違いにも関らず、専門家の利用する推論方式、知識構造に共通性があることが確認された。 2.故障診断エキスパートシステムの概念モデルの構築 上記の共通性とは、故障仮説の生成/テスト/修正において利用される手順とそこで利用される知識のとりあつかい方にある。この知見をふまえて、故障診断の原理を「プロトコルスタックの探索問題」であると同定した上で、エキスパートシステムの概念モデルを構築した。この時、探索開始点の決定/探索移行点の決定/テスト手段の生成等のサブタスクを実現することが、効率的なシステム構築の基本となることもわかった。 3.プロトタイプも開発 ネットワークプロトコルに関する知識を入力とし、兆候と故障仮説間の可能な因果関係すべてを故障木の形で出力する知識コンパイラを利用して、上記モデルに基づくプロトタイプを開発した。 4.専門家の故障診断法の比較による、故障診断木の評価 故障診断の事例手順(成果1)と、故障木(成果3)を比較することにより、本年度研究の全体的評価をおこなった。故障木の刈り込みのために「経験により得られる知識」を活用することにより効率面まで考慮したエキスパートシステムの構築が可能であることが確認され、本研究の方向性の正しさが確認された。上記成果は学会等ですべて公開した。ネットワークハードウェア構成に関る知識の整備と実装が次年度の課題である。
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