研究概要 |
平成5年度は、以下の成果を上げた。 1.対象問題として、専門用語の日英翻訳を選択し、情報科学の専門用語(名詞連続または名詞句)の日英対訳を収集し、約7,000件の対訳データベースを作成した。 2.上記データベースに対して、ダイナミックプログラミング法を用いた最適照合法を開発し、それによって類似対訳の検索を可能とした。 3.同アルゴリズムを並列化し、実際に、超並列計算機nCUBE2、および、CM-5に実装してその有効性を確認した。 4.この最適照合検索を基本とする翻訳アルゴリズムを開発し、実例に基づく専門用語翻訳システムを超並列計算機(nCUBE2,CM-5)上に実装した。 これらの研究成果により、以下のことが明らかになった。 1.世界で始めて、汎用超並列計算機上に実例に基づく翻訳システムを実装し、十分に並列効果が上がることを確認した。 2.比較的簡単な最適照合検索アルゴリズムでも、十分な量の対訳データベースを用意することによって、かなり良い翻訳精度を達成できることが明らかになった。 以下の成果により、本研究の方向の正しさがほぼ確認されたと考える。今後は、より困難な翻訳問題(例えば、論文表題の翻訳)に対して、本方法の有効性を検討していく必要がある。
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