研究課題/領域番号 |
05680296
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
美濃 導彦 京都大学, 工学部, 助教授 (70166099)
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研究分担者 |
廣瀬 勝一 京都大学, 工学部, 助手 (20228836)
天野 晃 京都大学, 工学部, 助手 (60252491)
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キーワード | トップダウン情報 / 制約充足 / 画像処理 / インタフェース |
研究概要 |
画像には認識・理解に必要な十分な情報は含まれていないので、画像を理解するためには、構成的推論に基づく知識処理が必要である。推論された仮説を検証するトップダウン処理は、従来は、画像処理アルゴリズムの処理範囲を限定したり、パラメータを調整するための制御機構として考えられてきた。本研究では、トップダウン情報を用いた画像処理そのものを汎用化した「制約充足型画像処理」の概念を提案し、これを具体化した。 1.従来の画像認識は、画像をボトムアップ的に処理した結果に対して、対象物仮説の生成などの知識処理を適用してきた。しかし、この方法は、いわば、"いい加減に処理をしたものを知識処理により取り繕う"方法であり、画像認識システムが実用化されていない根本的原因となっている。そこで、画像処理を行うシステムにどのような対象物を抽出したいのか、どのような結果が望ましいのか、の情報を与える枠組みを、「制約充足型画像処理」として確立した。 2.制約充足型画像処理を具体化するためには、どのような形で制約が表現できるか、について検討した。その結果、制約表現として、特徴量レベルの表現を用いれば、与えられた制約が画像処理をうまくコントロールできることが確かめられた。 3.動的輪郭モデル(snakes)は、エネルギー最小化の原理に基づく正則化手法の一種であり、繰り返し計算により、物体の輪郭に収束していくものである。このモデルに「どのような対象を抽出したいか」という情報を制約の形で与え、その制約に合うように処理をコントロールできるメカニズムを確立した。 4.様々な状況において制約充足型画像処理を実現するために、与えられる制約をその確信度にしたがって分類し、それにしたがって処理をコントロールするメカニズムを変化させる実験を行って、その有効性を確認した。
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