1993 年度実績報告書

マルチメディア情報通信ネットワークのモデル化と性能評価

研究課題

研究課題/領域番号	05680313
研究機関	京都大学
研究代表者	高橋豊京都大学, 工学部, 助教授 (00135526)
研究分担者	河野浩之京都大学, 工学部, 助手 (70224813) 滝根哲哉京都大学, 工学部, 助手 (00216821)
キーワード	マルチメディア / トラヒック / 情報通信ネットワーク / モデル化 / 性能評価 / ATM
研究概要	音声・画像・データ等のマルチメディア・トラヒックは従来の通信網が対象としていたトラヒックに比較し、バースト性・相関性が非常に強く、これが通信網における輻輳あるいは情報の欠落を招き、通信品質の容認できない劣化を引き起こす。本研究における主要な研究目標のひとつは、従来のトラヒック理論では取り扱えなかったこのバースト性・相関性を数学的に取扱い、通信品質を考察する上で重要な要素である通信網の送信遅延・セル廃棄率・スループット等の性能評価量を求めることである。本年度は、この一環としてメッセージあるいはセルの到着がSPP(Switched Poiss on Process)に従うトラヒックモデルを応用確率論の一分野である待ち行列理論を用いた解析を行った。これにより、ATMを始めとする高速通信網においてマルチメディア・トラヒックを収容した場合の上記の性能評価量が理論的にしかも従来行われていたシミュレーションに比較し、非常に少ない計算時間で求めることが可能となった。さらに情報の欠落あるいは誤りが生じたときは再送が行われるが、この再送方式の代表的なGo-back-NおよびSelective repeatに関して情報を完全に送信し終える迄の時間および待ちメッセージ数のトラヒック解析を行った。リング状の高速通信回線を共有して多数の局が送信を行うFDDIにおいてマルチメディアトラヒックを収容するために時間付きトークンを用いて一部のトラヒックの実時間性を保証する方式であるFDDI IIのトラヒックモデルを作成し、その性能解析を行った。一方従来のトラヒック理論が、一部の高度な専門的知識を持つ研究者によってのみ用いられてきたことを反省し、理論的成果を多くの非専門家にも広く実用に供するためにワークステーション上で動作する性能評価ツールの作成にも着手し、その有望性を確認した。

研究成果
(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] F.Ishizaki: "Generalized SBBP/G/1 Queue and Its Application to ATM Networksorth-Holland" Modelling and Performance Evaluation of ATM Technology,H.Perros,G.Pujolle and Y.Takahashi(editors),N. 397-416 (1993)
[文献書誌] 畑中隆: "エレベータシステムの待ち行列理論によるモデル化と性能評価" システム制御情報学会論文誌. 6. 10-20 (1993)
[文献書誌] M.Yoshimoto: "Waiting Time and Queue Length Distributions for Go-Back-N and Selective-Repeat ARQ Protocols" IEEE Transacions on Communications. 41. 1687-1693 (1993)
[文献書誌] H.Kawano: "Software Environment for Hybrid Performance Evaluation Tool" IEEE Pacific Rim Conference on Communications,Computers and Signal Processing. 532-535 (1993)
[文献書誌] K.Nakamura: "Analysis of M/G/1 Vacation Model with Exhaustive P-limited Service Discipline and Two Classes of Messages" Proc.of ICC'93. 1708-1712 (1993)
[文献書誌] S.Kasahara: "Analysis of an SPP/G/1 System with Multiple Vacations and E-limited Service Discipline" Queueing Systems. 349-367 (1993)
[文献書誌] H.Perros: "Modelling and Performance Evaluation of ATM Technology(editor)" North-Holland, 483 (1993)

1993 年度 実績報告書

マルチメディア情報通信ネットワークのモデル化と性能評価

研究代表者

高橋 豊 京都大学, 工学部, 助教授 (00135526)

研究成果

[文献書誌] F.Ishizaki: "Generalized SBBP/G/1 Queue and Its Application to ATM Networksorth-Holland" Modelling and Performance Evaluation of ATM Technology,H.Perros,G.Pujolle and Y.Takahashi(editors),N. 397-416 (1993)

[文献書誌] 畑中 隆: "エレベータシステムの待ち行列理論によるモデル化と性能評価" システム制御情報学会論文誌. 6. 10-20 (1993)

[文献書誌] M.Yoshimoto: "Waiting Time and Queue Length Distributions for Go-Back-N and Selective-Repeat ARQ Protocols" IEEE Transacions on Communications. 41. 1687-1693 (1993)

[文献書誌] H.Kawano: "Software Environment for Hybrid Performance Evaluation Tool" IEEE Pacific Rim Conference on Communications,Computers and Signal Processing. 532-535 (1993)

[文献書誌] K.Nakamura: "Analysis of M/G/1 Vacation Model with Exhaustive P-limited Service Discipline and Two Classes of Messages" Proc.of ICC'93. 1708-1712 (1993)

[文献書誌] S.Kasahara: "Analysis of an SPP/G/1 System with Multiple Vacations and E-limited Service Discipline" Queueing Systems. 349-367 (1993)

[文献書誌] H.Perros: "Modelling and Performance Evaluation of ATM Technology(editor)" North-Holland, 483 (1993)

1993 年度実績報告書

高橋豊京都大学, 工学部, 助教授 (00135526)

[文献書誌] 畑中隆: "エレベータシステムの待ち行列理論によるモデル化と性能評価" システム制御情報学会論文誌. 6. 10-20 (1993)