研究概要 |
本年度は、(1)従来提案されてきた遺伝的算法の改良と拡張を行ない、(2)予想される対象問題の規模、計算上の複雑さを種々設定し、対象問題群への遺伝的算法適用に関する問題点の整理を行なうことを計画し、国内外において以下の内容の研究報告を行なった。「共進化を用いたジョブショップスケジューリング(機械学会)」では、捕食と被食の関係にある種間の競合のモデルを、機械を資源としたスケジューリング問題に適用した。「多目的スケジューリング問題へのGA的アプローチ(機械学会)」では、制約も含めて複数の目的関数が存在する場合に対して、ニッチを導入したモデルでパレート最適解を得る手法を提案した。「資源割当問題へのGA的アプローチ(精密工学会)」ではPERTの資源割当問題で複数資源を扱う場合を対象として、試行錯誤的な負荷の山崩し問題を扱った。「GAによるプロセスプランニング問題へのアプローチ(機械学会)」では、切削空間選択問題を集合被覆問題として扱い、GAにおける大きな課題の1つである制約充足問題へのアプローチ法を示した。「Line Balancing by GA:An Empirical Study(IEPM'93,IFAC)」では、ラインバランシング問題の複数モデルの場合を扱った解法を示した。「A Heuristic Approach to Dimension Drawing Based on Genetic Algorithms(ANNIE'93,ASME)」ではCAD(Computer Aided Design)の機械図面作成において、寸法を自動的に作図する問題を扱い、技術的制約を伴った空間配置問題に対してその解法を示した。以上、種々の問題設定のもとに遺伝的算法を用いた適応型生産システムの可能性を探った。大規模問題への適用実験は課題として残した。
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