研究概要 |
現在そしてこれからの社会環境として,高度技術を背景とした社会システムの大規模化や複雑化,そして高齢化という性質の異なる2つの特徴が挙げられ,これらによるライフスタイル,作業環境,そして社会システムの再構築という課題に取り組んで行かなければならない.本研究ではそのような社会環境の変化に対応する1つのアプローチとして,人間特有の創造的機能を発揮させ,また高年齢者でも最先端の機器を容易に操作できるようなマン-マシン・インターフェースを設計するための方法論を開発する.このような目的に対し,今年度の目標として以下のテーマを掲げた. (1)人間が知的・認知的作業を行なったときの処理をモデル化する技法を開発し,このモデル化に基づいたインターフェース分析・評価手法を構築する. (2)創造性支援のインターフェースの設計の方法論を開発し,現実問題への適用によりその有用性を検討する. これらのテーマに対し今年度では具体的に以下のような成果が得られている. (1)CIM(Computer Integrated Manufacturing)導入事業所の事例の調査を通じて,CIM導入のキーポイントとしての人間の役割の重要性を明らかにした. (2)知的・認知作業に対するマン-マシン・インターフェースの分析・評価方法を構築し,現実問題への適用方法を示した. (3)高度生産システムにおける創造性支援のインターフェースの重要性とその概念設計を行なった. (4)高年齢者の雇用・管理における問題点の調査,および職務再設計の実態調査を行い,高年齢者支援インターフェースの仕様を明らかにした。
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