研究課題/領域番号 |
05680344
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森戸 晋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50134193)
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研究分担者 |
今泉 淳 早稲田大学, 理工学部, 助手 (00257221)
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キーワード | フレキシブル生産システム(FMS) / オペレーションズ・リサーチ(OR) / 柔軟性(flexibility) / スケジューリング / 組合せ最適化 / シミュレーション / ディスパッチング / 経路選択 |
研究概要 |
1.ディスパッチング規則の性能評価: 高度な柔軟性を有する自動化生産システムを想定し、パレット枚数やバッファの有限性や同一品種の繰り返し生産など、現実的な要因を考慮した上で、シミュレーションによって、ディスパッチング規則の性能を評価した。その結果、経路選択の自由度がない状況下では、単純な規則の中で、在来的ジョブショップに環境に対して性能がよい加工時間が短いジョブを優先する規則の性能が、納期に基づく規則より安定してよいことが明らかになった。 2.経路選択の自由度とディスパッチング規則の性能との関係 (1)経路選択の自由度と標準的ディスパッチング規則の性能との関係: 経路選択の柔軟性がディスパッチング規則の性能に及ぼす影響を、FMSを念頭におきながら、シミュレーションによって調べた。その結果、経路選択の柔軟性が高まるにつれて、加工時間が短いジョブを優先する規則の他の規則に対する相対的優位性が低下することが判明した。このことから、ディスパッチング規則の性能が、システムの柔軟性と相互に関連することが明らかになるとともに、従来の規則がシステムの柔軟性を十分に考慮していないことが明らかとなった。 (2)柔軟性を生かす“Cooperative Dispatching"の提案と評価: 在来型のディスパッチングは、空いた機械に優先順序に従ってジョブを投入していくもので、他の機械の状況を配慮しない。このため、経路選択の自由度によって得られたシステムの柔軟性を十分に生かしきれない。そこで、Cooperative Dispatchingというフレームワークを構築し、ジョブと機械の協調によって、ジョブの処理機械を決定する方法を提案し、シミュレーションによってその性能を評価した。提案する方法によって、納期遅れ、滞留時間、稼働率の各評価尺度とも改善されることが分かった。 3.機械の柔軟性、工程集約とスケジューリング性能との関連: 自動化生産システムでは、機械の柔軟性が高く、一工程で多くの作業をまとめて処理する工程集約が可能になり、ジョブの作業工程が少なくなっている。こうした工程集約とスケジューリング性能との関係を調べるために、ジョブショップにおける最適スケジューリングを前提に、機械台数とスケジュールの相対品質の関係を調べ、機械台数が少ないほど一定の相対品質を満たすスケジュールの存在割合が高くなることを示した。
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