研究概要 |
中部九州の4つの活火山に関して,本年度は,下記の研究成果が得られた.これらの成果には,まだ予察的な段階のものもあり,来年度も引き続いて研究を進展させたい. 1.雲仙火山について. 雲仙火山の発達史に関して,5つのステージ区分を行い,それぞれのステージに溶岩ドームの形成と火砕流の発生があったことが判明した.その結果1990年からの噴火と同様の活動がおよそ10万年以降も続いていたことが解った.また,1792年に大崩壊した眉山は数千年前に形成された非常に新しい火山であることも判明した. 2.阿蘇火山について 阿蘇火山には西暦553年以降の噴火記録があり,その中にある火口周辺の古いお寺の被害に関して,火山灰に埋没した遺跡の調査と^<14>C年代測定値から,遺跡と記録とを具体的に対比する事ができた.この成果は,平成6年度中に公表する予定である. 3.九重火山について 火山灰の調査から,文献には記述されていない数千年前の噴火の堆積物を見いだした.この成果は予察的なものであるので,その噴出源等について来年度さらに詳しく調査したい. 4.鶴見岳について 鶴見岳の一部を構成する伽藍岳の噴出物と考えられる数枚の火山灰層が,数千年前までの火山灰土中に見いだされた.来年度には,それぞれの火山灰層の噴出源の確定と,それらの詳細な年代決定を行いたい.
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