研究概要 |
中部九州に位置する4個の活火山に関する噴火史の解明のために,本年度は,野外調査・文献調査など多方面にわたる調査を行った.本年度の研究成果の概要は次の通りである. 1.雲仙火山については,大学合同観測班の一員として普賢岳の現在の噴火活動の推移の観察を行ない,国の噴火予知活動に協力・貢献した.また,雲仙火山全体の過去の噴出物の詳細な野外調査を行い,その結果に岩石試料の放射年代測定結果を加味して,雲仙火山の活動史を相当程度に明らかにした.その成果は解説書のついた「雲仙火山地質図」として,地質調査所から近く印刷・公表される予定である. 2.阿蘇火山については,カルデラ形成にかかわる大規模火砕流の温度・破壊力の解明から,阿蘇中岳の最近の噴火活動の特徴の解明にいたるまで広範な問題について,多くの新知見を得た.その結果,阿蘇中岳に関しては,災害予測図の第1段階の試作品を作成し,公表できた. 3.鶴見岳火山および九重火山に関しては,文献調査および現地調査を行ない,いくつかの新知見を得た. 得られた新知見の一部は,その都度発表している(研究発表の項参照)が,現在検討中の問題はいずれまとめて公表の予定である.
|